ハマのドン、横浜市議会から「自公一掃!」表明 「最後の闘い」全国で放映へ  古澤敏文(プランナー)

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港運協会賀詞交換会 港の発展へ「結束」呼びかけ

今年1月4日に開催された毎年恒例の横浜港運協会賀詞交換会。コロナ感染拡大に配慮し一層簡素化されて行われた。それでも協会関係者の来場者数はゆうに400名を超え、行政や監督庁の来賓は例年同様にあった。毎年のことながら港運協会の組織の巨大さを実感させられる。一方、昨年にくらべ報道陣のカメラ台数と自民党系議員の数が激減していた。

あいさつする藤木幸夫氏

会は昨年港運協会会長に就任した藤木幸太氏の挨拶から始まり、IR問題が一段落したことで今後は横浜港の発展に努めたいと参加者に語りかけた。そして今後の具体的な事案を示しながら、更なる協会の結束を会員各社に呼びかけた。幸太氏は横浜で社会活動を行う者に常に耳を貸し多くの若手経営者にも慕われている。ちなみに自分は20年以上も前から個人的に懇意にさせてもらっており、ダイアモンドプリンセス着岸翌日には横浜の新しいネットワーク作りの相談に乗ってもらっていた。しかし、話題はもっぱら政府の感染に対する危機管理の甘さで、このままでは大変な事態を引き起こすだろうと話していたのをはっきり覚えている。

知事豹変、感染対策の成果アピール

新会長の次に登壇したのは黒岩県知事。前回は林元横浜市長に強いエールを送っていたが、今回はIRに一切触れること無く自らの感染対策の成果アピールに終始した。その流れで県は山中新市長が横浜市立大学大学院・データサイエンス研究科研究科長だった当時から緊密に連携を図っていたとし、今後は県と市の連携がより緊密に出来るだろうと語った。モノは言いようである。県知事の変容ぶりを同じキャスター出身の青山真治氏(立憲)に尋ねたかったが、今回コロナ対応であいにく不参加だった。

不健全な市議会に、新市長の表情さえず

次は山中竹春横浜新市長の挨拶。IRに代わる事業を一般市民からの提案を取り込み積極的に推し進めるとの事だった。しかし、大舞台に不慣れなのか力強さに欠け表情は全く冴えない。これでは市民として不安に駆られる。だがその事情は直後の藤木前会長の挨拶で知らされることになる。会長の話では、IRは撤回となったものの自公議員が過半数を占める横浜市議会が健全な議会運営が出来ずにいるらしい。以前、4億円のIR調査費用を承認する時に市議会の傍聴に行ったが、そこで繰り広げられていたのは品位を欠く誹謗中傷のヤジ合戦だった。今も同じことが繰り返されているのだろう。

山中・横浜市長と黒岩・神奈川県知事と藤木氏

前会長はかつての朋友であった小此木彦三郎の息子、国家公安委員会委員長を辞してまで市長選に挑んだ小此木八郎氏にも触れた。八郎氏はIR中止をひっさげ藤木会長の支援を取り付けたかった。しかし、藤木会長は支援どころか決別を言い渡した。八郎氏の人間性ではなく菅政権(当時)が率いる自民党への不信感によるものと推測する。先代の彦三郎とは一緒に横浜を発展させてきただけに、藤木氏にとっても大きな決断だったに違いない。本会に彦三郎氏本人への声掛けはなかったようで、元秘書だけがポツリと椅子にいた。この潔さには清々しさすら感じる。

トランプ前大統領側近のIR支援要請を拒否、死を覚悟

また、藤木氏はトランプが大統領在任中に大統領側近から連絡があったとのことを初めて明かした。そしてIRを支援するよう強く要請を受けたが断固拒否したとのこと。GHQ統治下で横浜の主要施設が強制接収された苦々しい記憶の反動だったかも知れない。拒否した以降は不穏な影に付きまとわれ恐怖すら感じたという。第二次世界大戦下、B29爆撃機517機が横浜へ40万個投下した爆弾の雨をかいくぐり、機銃掃射による横浜港湾労働者の死を目の当たりにみてきた、“ハマのドン”こと藤木幸夫が、今回ばかりは死を覚悟したと語ったのがとても印象的だった。

市長の就任直後のゴシップや怪文書追求に代表される横浜市議会自民公明の体たらくは、メディアを通じて市民も知るところになっている。この横浜市民を慮らない議員達の振る舞いが藤木元会長の怒りを再燃させた。山中竹春氏の後援会を自ら立ち上げ、次回の2023年の選挙で自民公明系の市議会議員を一掃すると公言したのである。これで自民公明の列席者が異様なくらい少なかった理由が分かった。今まで何度も会長の話を現場で聴いてきたが、この日ほど持ち前のジョークや会場に笑いがなかったのは初めてのことだった。

「最後の闘い」テレビ朝日が制作

IR事業に疑念を感じ、反対運動を主導する会長に労いの手紙を差し上げたのが3年前。気がつけばIR反対運動を通して、敗戦後の横浜復興に大きく寄与した男の生き様の局面を見てきたのかも知れない。テレビ朝日がIR反対運動を軸に藤木幸夫氏を描いた、「ハマのドン“最後の闘い”  ─ 博打は許さない ─」という番組が来月2月5日から全国で随時放送される。企画が「公益財団法人民間放送教育協会」というのも面白い。横浜の戦後史としても見所があると期待している。

「ハマのドン“最後の闘い” ─ 博打は許さない ─」
 全国での放送スケジュールは下記のページに記載されています。
 https://www.minkyo.or.jp/program/special/36/
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